イラストを手軽に微調整!Procreate『ゆがみツール』の効果的な使い方

背景イラストレーターのariです

今回は、Procreateのアプリにあるフィルターの一つ、「ゆがみツール」の使い方についてご紹介します。意外と使う人が少ないかもしれませんが、このツールは指先でイラストを伸ばしたり、変形させるなど、フィルターのような効果を簡単に出すことができます。

今回使用している機材とアプリはiPadProcreateです。

どのイラストアプリを使用すれば良いか悩んでいる方は、こちらをご参考ください。アプリのおすすめポイントについてまとめています。

iPadのおすすめイラストアプリを特徴ごとに紹介!【Procreate │ CLIP STUDIO PAINT │ Adobe Fresco】

動画では更に詳しく解説をしています。しっかりチェックしたい方は、こちらからご覧ください。

記事の信頼性

私は、15年以上背景専門イラストレーターとしてゲーム、アニメ、映画等、様々なイラストを手掛けており、専門学校講師として指導も行っています。

YouTubeチャンネルでは土曜日に毎週「背景イラストの描き方」「お絵かきアプリの紹介」など動画投稿行っています。背景イラストをもっと上手くなりたい!という方はぜひご覧ください。

背景イラストレーターAri『背景イラストの描き方』YouTubeチャンネル

それでは紹介していきます!

ゆがみツールとは

「ゆがみツール」は、イラストをいろいろな形に変形させることができる特徴的なツールで、画像のゆがみや拡張を手軽に行うことができます。

たとえば、2本線のイラストをゆがみツールを使って、グニャグニャの形にしたり、大きく曲げたりすることができます。背景の水面の反射を歪ませたり、キラキラした水面を歪ませたり、描いたイラストの岩などを膨張させたりと、色々な場面で使うことができます。

覚えておくと、様々な場面で役立つと思いますので、ぜひ使ってみてください。

Procreate『ゆがみツール』の詳細

1. ゆがみツールの位置

Procreateの「ゆがみツール」は、アプリ上部の4つのアイコンのうち、スパナの隣にあるブラシにキラキラマークが付いているアイコンを押すと出てくる「調整」の中にあります。調整の中の最下部に「ゆがみツール」があります。

2. スライダーとツール

ゆがみツールを開くと、画面下部にいくつかのスライダーが表示されます。これらを使ってイラストを調整します。具体的には、左から「サイズ」、「筆圧」、「ディストーション」、「モーメンタム」の4つのスライダーがあります。

2.1. サイズと筆圧

「サイズ」と「筆圧」は、ブラシのサイズの大きさを変更するものです。また、歪みたい時の歪みの大きさを、筆圧で強くするか、サイズを大きくするかを設定することができます。

2.2. ディストーション

次に「ディストーション」は、ランダム性を追加するものです。押し出す時に、きれいに押し出すだけでなく、いろんな場所に押し出していくようなランダム性を追加することができます。これを上げることで、より複雑な、あまり想像をしないような歪みを加えることができます。

2.3. モーメンタム

最後に「モーメンタム」は、効果が持続するような感じのスライダーです。例えば、スライダーを引っ張ってから放した時に、通常はすぐに終わるのですが、「モーメンタム」を上げると、引っ張った後もゆっくりと動き続けるような効果が出ます。

3. 各ツールの使い方

この4つのスライダーをうまく使いながら、「プッシュ」、「右回りに渦巻き」、「左回りに渦巻き」、「ピンチ」、「拡張」、「クリスタル」、「エッジ」といったツールを使うことで、多様なイラストの調整が可能となります。これらの詳細な使い方については、次のセクションで説明します。

Procreate『ゆがみツール』の使い方

1. プッシュの使い方

「プッシュ」ストロークの方向に引っ張るゆがみツールです。例えば、湖の中に泳いでいるような魚をプッシュすると、魚が伸びて、元の形が歪んでしまいます。このように、一部を指で押して伸ばすような感じで利用することができます。

ゆがみの「プッシュ」を選択し、「ディストーション」と「モーメンタム」を0に設定すると、横方向に伸びていくのが確認できます。サイズを変えると、歪みの大きさが変わります。また、「ディストーション」を上げると、より複雑な歪みを加えることができます。

この「プッシュ」は、特定の部分を伸ばしたり、全体の形状を微調整したいときなどに便利です。例えば、水面に映る魚を左右に引き延ばしたり、線を引いて葉っぱの形を変えたりすることができます。

2. 渦巻きの使い方

次に、「右回り・左回りに渦巻き」の使い方について説明します。「右回り・左回りに渦巻き」は、ストロークを中心にイラストをねじることができるツールです。具体的には、「右回りに渦巻き」を選択して、長押しすると、イラストが右方向に渦巻いていくのが分かります。「左回りに渦巻き」を選択すると、逆に左方向に渦巻いていきます。

このツールは、特に色を混ぜるときなどに便利です。「ディストーション」を使って斜めにしたりすると、新しいアートを作る際に面白い使い方ができます。

3. ピンチの使い方

次に、「ピンチ」の使い方について説明します。「ピンチ」は、ストロークに向かって吸い込むような効果があるツールです。「ピンチ」を選択して、中心を押しっぱなしにすると、中心に向かってグッと吸い込まれていくのが分かります。

例えば、全体的にスライドしながら中心に寄せると、全体が中心に集まっていく感じが確認できます。このように、「ピンチ」は全体の太さを変えることができます。

4. 拡張の使い方

「拡張」は、「ピンチ」の逆で、押したところを中心に広がっていくツールです。「ピンチ」では押した部分が寄せられましたが、「拡張」では押した部分が広がります。

例えば、蓮の葉に使用すると画像のように膨らんでいきます。この「拡張」は、特定の部分を広げたいときや、全体の形状を微調整したいときなどに便利です。

5. クリスタルの使い方

「クリスタル」は、ストロークから不均一に押し出すことができる特殊なツールです。このツールを使うと、ギザギザに伸びた形状を作ることができます。

これは、鉱石を割った時の断面を作ったりするときなどに便利です。このツールも、実際に使ってみると、新しいイラストが作れるかもしれません。

6. エッジの使い方

「エッジ」は、「ピンチ」と似たようなツールですが、少し滑らかに吸い込む効果があります。

具体的には、エッジを使用すると、少し細くなることが確認できます。

この「エッジ」は、線画を細くしたいときなどに便利です。

7. 再構築の使い方

「再構築」は、一度操作した後に、もう一度元に戻すためのツールです。ただし、このツールは、一度決定してしまったら元に戻せないので、注意が必要です。

8. 調整の使い方

「調整」は、一度効果をかけた後に、その強度を調整するためのツールです。例えば、もう少し強く効果をかけたい場合は、右にスライドします。逆に、もう少し弱く効果をかけたい場合は、左にスライドします。

9. リセットの使い方

「リセット」は、ゆがみツールの効果を全てリセットするためのツールです。これにより、一度かけた効果をすべて取り消すことができます。

これらのツールを上手に使いこなすことで、あなたのイラストはさらにパワーアップするでしょう。ぜひ実際に試してみてください。

詳細な解説動画

動画では更に詳しく解説をしています。しっかりチェックしたい方は、こちらからご覧ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?Procreateの「ゆがみツール」はフィルターのような存在ですが、使い方によってはかなり面白い効果を得ることができます。見ていただいた通り、使い方によっては多彩な効果が得られ、あなたのイラストをパワーアップさせることができます。

特に、「プッシュ」などはキャラクターを描く人にとって非常に便利なツールと言えるでしょう。たとえば、ほっぺたをちょっと膨らませたいときや、逆に削りたいときなどに、「ゆがみツール」を利用すると良い結果が得られます。

この「ゆがみツール」は、使い方次第で様々な可能性を秘めています。ぜひ、多くの方に使っていただき、楽しみながら新たな表現を見つけてみてください。

また、普段の記事・動画では無料で背景イラストの描き方について紹介していますが、より『背景イラストが上手くなりたい方』向けに、詳細に技術を紹介している有料のコンテンツもあります。

1点透視などパースやイラストの描き方について、字幕付き動画文章で読める解説付きPDFで学ぶことができます。

↓販売サイトはこちらから
背景イラストレーターari – BOOTH販売ページ

最後までご覧くださりありがとうございました。

それでは、また次回の記事・動画でお会いしましょう!

タイトルとURLをコピーしました