CLIP STUDIO PAINTのバージョン2.0で新機能「魚眼パース」が登場
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)のバージョン2.0で、新たに「魚眼パース」という機能が追加されました。今回はその追加された「魚眼パース」について紹介していきます!
ぜひ最後までお読みいただき、クリスタのver2.0の魚眼パースで楽しんでみてください。それでは、早速内容を見ていきましょう。
記事の信頼性
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魚眼パースとは?
今回は、クリップスタジオのver2.0がリリースされたことを受けて、iPadのクリップスタジオも無事ver2.0にアップデートされました。その中で追加された機能の中で、個人的に一番気になっていた「魚眼パース」の使い方を紹介しようと思います。
魚眼パースとは、昔からあるものですが描くのが難しいため、あまり気軽に作れなかったものです。ですが、今回のアップデートで気軽に使用できるようになったので、まずは遊んでみる形で試していただければと思います。
超広角レンズのようなパース
魚眼パースは、超広角レンズのように広い範囲を撮影できるレンズで、少し歪みのあるパースだと考えてください。180度ほど真横の画が入ることが可能なパースで、その歪み方は人間の目に近いイメージだと言われています。
人間の目も丸でできており、端の方は少し歪んでいます。2点透視など普通のパースは、真っ直ぐな線が引かれていますが、魚眼パースでは横の線がグンニャリと曲がっているイメージです。
魚眼パースは難しいパースですが、使用することでイラストの雰囲気は面白くなります。
魚眼パースの配置方法
それでは、魚眼パースをどのように配置するのかについて、紹介していきたいと思います。
メニューバーから魚眼パースを設定
魚眼パースは定規メニューから使う方法もありますが、もっと簡単な方法としてメニューバーから設定する方法があります。
メニューバーから、「レイヤー」→「定規・コマ枠」→「パース定規の作成」と進んでいきます。すると、1点透視・2点透視・3点透視など、どのパースを作成するか選択できるようになります。
魚眼パースの作成
今回は1点透視を選んで、魚眼パースの作成方法を確認してみましょう。魚眼パースにチェックを入れ、レイヤーを新規作成するのチェックも選んでおくと便利です。
魚眼パースの表示
設定が完了すると、画面上に縦横の線が表示されるはずです。これが魚眼パースの線です。丸い点が中心で、縦横の線が円状になっています。
実際に魚眼パースを使って描画してみると、縦横の線が円状になっていることが分かります。普通の1点透視では、縦横が水平垂直でしたが、魚眼パースでは円状になっています。
魚眼パースの1点透視
魚眼パースの1点透視では、縦横がグニャリと曲がった形になります。これが魚眼パースの特徴です。
以上が、魚眼パースの設定方法と描画例になります。メニューからレイヤーを選び、魚眼パースを設定することができます。ぜひ試してみてください。
魚眼パースの設定方法まとめ
次に、魚眼パースの設定がいくつかありますので、そちらを紹介したいと思います。
まず、オブジェクトツールを使って、先ほどのパースを選択します。アイレベル固定、魚眼パース、グリッドなどの機能が現れるので、それぞれについて少し説明していきたいと思います。
アイレベル固定
アイレベル固定機能を使うと、アイレベルが動かなくなります。これにより、アイレベルが誤って動かされることを防止できます。
魚眼パース
魚眼パースを有効にするには、「魚眼パース」のチェックボックスにチェックを入れてください。チェックを入れた状態で、「歪みの強さ」と「視野円半径」の設定が現れます。
視野角は、画面に映っている丸い範囲を表します。これは目で見たときの丸い範囲だと思ってもらえば良いでしょう。
歪みの強さや視野円半径を変更することで、魚眼効果の程度を調整できます。歪みが強くなると、より魚眼っぽくなりますが、歪みを減らすと、ほぼ水平に近づきます。
グリッド表示
グリッド表示を使うと、縦横の線が表示され、歪みがどの程度かを視覚的に確認できます。グリッド表示は、歪みの強さを調整しながら使うと便利です。
縦横の線も表示することができます。赤色の円のグリッドは視覚的に確認でき便利なので、よく使用します。
オブジェクトツールでの操作方法
オブジェクトツールでは、さまざまな点を操作して、アイレベルや透視点の位置を変更できます。
アイレベルを動かすには、オブジェクトツールで真横の線についている点をドラッグして動かすことができます。
また、ど真ん中の点をドラッグすることで、アイレベルの高さを変えることができます。
1点透視の伸びている線も、点をドラッグすることで移動することもできます。
また、ひし形のマークをオン・オフすることで、特定の線を使用しないように設定できます。
十字のアイコンを使って、魚眼パース自体やアイコンを移動できます。
1点透視魚眼パースを使った描き方
1点透視の魚眼パースを使用して家具を描いてみました。実際に描いている様子は動画をご覧ください。
魚眼効果を利用して描くことで、普通の部屋とはちょっと違った雰囲気を出すことができます。非常に面白い効果が得られますので、ぜひ色々な部屋を描いてみて楽しんでください。
魚眼効果を使った描画では、歪みの調整が非常に重要になってきます。ぜひ、色々試してみてください。
2点透視魚眼パースを使った描き方
2点透視の魚眼パースで街並みを描いてみました。こちらも実際に描いている様子は動画をご覧ください。
大きめのビルや小さめのビルを描いてみると、2点透視でも魚眼効果を活用したイラストを描くことができます。ぜひ、色々描いてみて楽しんでください。
魚眼パースを使用した2点透視のイラスト
試しに描いてみた魚眼の2点透視のイラストですが、普通の真っ直ぐなパースよりも、魚眼パースの方が面白い形に仕上がることが多いです。
もし、ちょっと面白いイラストを描きたいと思ったり、もっと広い画面でイラストを描いてみたいと思う方は、ぜひお試しください。とても面白い効果が得られると思います。
詳細な解説動画
まとめ
魚眼パースの利便性
魚眼パースは、実際に紙に描くとなったらテンプレートもありますが、理解が難しい部分もあるため、バージョン2.0からの新機能として魚眼パースがあるのは本当に便利だと思います。
最初は慣れが必要になりますが、まずは使ってみて魚眼パースがどのようなものなのか楽しんでみてから、更に深い部分に挑戦してみてください。
普通の透視図法を学んでから使用するのがおすすめ
3点透視は非常に面倒くさくなりますが、普通の3点透視を学んでから、この1点透視・2点透視と同じように挑戦してみることをお勧めします。
1点透視と2点透視の魚眼パースも、普通の1点透視・2点透視をやってから手を出すようにした方がいいでしょう。ぜひ、この面白いパースを使って遊んでみてください。
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